2017/01/26

第106回 愛し野塾 ストレスがもたらす心臓血管病—鍵は「扁桃体」(アミグダラ)か


心臓血管病の発症は、ストレスと密接な関係があることが知られています。2004年、11,119人の心筋梗塞発症者と、13,648人の健常者を対象とした「家庭・職場・経済的ストレス・ライフイベント」の4項目と心筋梗塞発症の関係について行なわれた調査(文献1)が行なわれました。その結果、心筋梗塞を発症した患者は、発症しなかった人に比較すると、職場の恒常的なストレス及び家庭のストレスを、発症しなかった人の約2倍も感じていること、また、経済的ストレスは、1.3倍、ストレスを伴うライフイベントを約1.5倍経験していることがわかりました。

こうした研究調査から、心筋梗塞発症に及ぼす「心理社会的要因」が、「高血圧・脂質異常・糖尿病などの生活習慣病」と同程度に強く関連することが知られるようになりました。しかし、「ストレス」と「冠動脈の動脈硬化」に関連性があることは間違いない現象だとしても、(1)ストレスで、動脈硬化が引き起こされるのか、(2)そのメカニズムは何か、についての疑問は曖昧なままであり、またその詳細を科学的に証明することは容易ではありませんでした。一つの理由として、同じストレスを与えても、人それぞれの感じるストレスレベルが異なり、定量化しにくいという性質があげられるでしょう。

「同じストレスに対して受容されるストレスレベルがほぼ同じ」に設定しやすい動物実験によって、「ストレスが心血管病を惹起し、このプロセスに造血幹細胞の活性化と血管の炎症促進が関与する」ことが証明されました(文献2)。こうした科学的背景をもとに、ストレスと情動の感知センターである、「扁桃体の活性を、ストレス受容レベルの指標」として用いることで、「ストレスが、心臓疾患を惹起するメカニズム」についての詳細が明らかにされました(文献3)ので解説してみました。

これまでの研究から、ストレス状態が顕著に認められるPTSD・不安・鬱病を発症している患者の脳では「扁桃体の活性の上昇」ことがわかってきています。本研究では、この活性を検出する手段としてPETスキャンによる方法が採用されました。PETスキャンでは、神経細胞の活性化に随伴して生じる「細胞内の解糖系亢進」の状態を識別し、扁桃体の活性を正確に測定することができるのです。PETスキャンを用いるメリットは他にもあります。PET検査では造血幹細胞の活動状態、また大血管の炎症の程度についても同時に測定可能であることです。これらの事実をもとに「扁桃体の活動が、造血幹細胞の活性、及び動脈の炎症と相関があるのかどうか、さらに心血管イベントの予測因子となるのかどうか」について、経時的に「人」を対象に研究を行うことを可能にしました。

対象者は、マサチューセッツ総合病院で、2005年から2008年の間に、癌のスクリーニング目的に施行されたPETスキャンを受けたかた6,088人です。癌の既往のない人、癌の治療から1年以上が経過して寛解状態の人、心血管病のない人、急性慢性の炎症性疾患、自己免疫性疾患のない人、30歳以上の人を研究の対象者としました。

370MBq18F-FDGを絶食後、早朝に静脈注射し、1時間静かな部屋で座位で待機した後、扁桃体の活性を標準法で測定しました。骨髄の活性、脾臓の活性、動脈の炎症についても計測されました。冠動脈のカルシウムスコアは、CTを用いて計測されました。

結果
条件を満たした293人が研究対象となりました。対象者は、平均年齢55歳、男性42%、白人93%という特性がありました。
3.7年間の観察期間中、心血管イベントを発症したのは22人、のべ39回で「扁桃体の活性と心血管イベントの発症との間に、正の相関関係がある」ことがわかりました。扁桃体の活性が1SD上がるごとに、心血管イベント発症リスクが1.6倍上昇するという結果が認められました。一方で、脳皮質、小脳、皮下脂肪の活性と心血管病発症との相関は認められず、扁桃体の活性上昇は「特異的に」心血管病発症リスクを上昇させることが分かりました。さらに、多変量解析により、年齢(p0.0003)及び、喫煙(p=0.0028)は、心血管イベント発症リスクとの間に有意な相関があることが明らかになりましたが、扁桃体活性と心血管イベント発症リスクの間の有意な相関関係は、年齢、喫煙などの心血管病リスク因子で補正後も認められました。試験開始時の動脈硬化の程度、冠動脈リスク因子数、癌の既往にも、この相関関係は影響されないことが判明しました。扁桃体の活性が高いほど、心血管イベント発症までの時間が短いこともわかりました。

次に、「扁桃体活性と造血幹細胞との関係」が調査されました。扁桃体活性は、骨髄と脾臓の18F−FDG取り込みで評価される造血幹細胞の活性とも相関し、また、血管の炎症を表す血管の18F−FDGの取り込みとも相関する事が分かりました。一方で皮下脂肪の18F−FDG取り込みとの相関はみとめられず、扁桃体活性は、造血幹細胞及び血管の炎症に「特異的」な相関をもつことが判明したのです。

また、扁桃体の活性が引き起こす動脈の炎症のプロセスに、骨髄活性が大きく寄与し、扁桃体と動脈の炎症相互の相関関係の46%が骨髄活性に寄与することが推算されました。動脈の炎症は、扁桃体活性と心血管イベント発症の高い相関に影響し、その39%に寄与している事が推算されました。
個々の因子の関連性を明確にするために「媒介分析」がおこなわれました。その結果、次の結果を認めました。1)扁桃体活性は骨髄活性と正の相関(r=0.16P=0.073)がある。2)骨髄活性は動脈炎症と正の相関がある(r=0.55P0.0001)。3)動脈炎症は心血管イベント発症と正の相関がある(r=1.00P=0.0044)。4)扁桃体活性は、直接動脈炎症とも正の相関がある(r=0.10P=0.0432)。


これらの結果から、<扁桃体活性骨髄活性化動脈炎症惹起心血管イベント発症>という経路と、<骨髄活性化をバイパスして、未知の因子を介する、扁桃体活性から動脈炎症惹起へ>という経路の両者の存在が示唆されました。

質問票から数量化した「受容ストレス量」と「扁桃体活性」の間に、また「動脈の炎症反応」との間に正の相関を認めました(それぞれr=0.56P=0.0485r=0.59P=0.0345)。

以上の結果から、「ストレスが動脈硬化を惹起するメカニズム」として、「ストレスを受容した脳」では、扁桃体が活性化し、造血幹細胞の活性化を介して、動脈の炎症が生じ、結果として「心血管病イベントの発症」を促すという可能性が強く示唆されたのです。推定されるもう一つの経路、すなわち造血幹細胞を介さない未知の因子の介在については、今後の研究を待たなくてはなりません。

この研究を検証した結果、いくつかの問題点が指摘されました。1)まず、研究の対象者です。癌のスクリーニング目的に行われたPETスキャン施行者を対象としていることから一般性がない可能性があることです。これに対し、著者らは、癌の既往のない方だけに対象者を絞っても、同様の結果が得られたことから、この問題はクリアされていると主張しています。ただし、今後主張を裏付けるデータを提示する必要があるでしょう。2)次に、対象者の90%以上が白人であったことは、人種というバイアスの残る可能性が指摘されています。3)さらに、受容ストレスレベルの調査に用いられた質問票が標準的に使用されているものではなく、受容ストレスレベルの測定方法の妥当性・信頼性に欠ける可能性が指摘されています。4)4つ目に因子分析の妥当性に疑問が残ります。扁桃体活性、造血幹細胞活性、動脈炎症、心血管イベントという4つの因子の関連性についての精査が、「媒介分析」だけでは不十分である点です。

今後は、観察期間を延長し、人種をこえた多くの方を対象に大規模な研究、あるいは、いずれかの因子を阻害するような「介入試験」が求められます。エディトリアルでは、ストレスレベルが極めて高いと考えられるPTSD患者に絞った研究で、大規模な調査によって、同じ結果がでるのかどうか調査する必要があると、期待をこめて述べています(文献4)。基礎的な側面から、4つの因子を繋ぐ分子を特定することも必要でしょう。

さて、この論文から学べること、応用できることがあるとすれば、ストレス受容レベルを下げることではないでしょうか。昨今、さまざまなストレスコントロールに関する著作があるのもうなづけますね。医学的立場から、検証され功を奏しているのが「瞑想法」です。「瞑想法」によるストレス受容レベルの低下は、心血管イベント発症リスクが50%も低下することが示されています(文献5)。

日々ストレスに晒される現代社会において、ストレスを昇華させるための持続可能な方法の追求は、こうした動脈硬化予防の観点からもますます重要視されていくことは間違いなく、重要な研究分野になることでしょう。

文献1.Rosengren, A., Hawken, S., Ôunpuu, S., Sliwa, K., Zubaid, M., Almahmeed, W. A., ... & INTERHEART investigators. (2004). Association of psychosocial risk factors with risk of acute myocardial infarction in 11 119 cases and 13 648 controls from 52 countries (the INTERHEART study): case-control study. The Lancet, 364(9438), 953-962.

文献2. Heidt, T., Sager, H. B., Courties, G., Dutta, P., Iwamoto, Y., Zaltsman, A., ... & Lin, C. P. (2014). Chronic variable stress activates hematopoietic stem cells. Nature medicine, 20(7), 754-758.

文献3. Tawakol, A., Ishai, A., Takx, R. A., Figueroa, A. L., Ali, A., Kaiser, Y., ... & Tang, C. Y. (2017). Relation between resting amygdalar activity and cardiovascular events: a longitudinal and cohort study. The Lancet.

文献4. Lancet. 2017 Jan 11. pii: S0140-6736(17)30044-2.
doi: 10.1016/S0140-6736(17)30044-2. [Epub ahead of print]
Stressed brain, stressed heart? Bot I1, Kuiper J2.


文献5.Blumenthal, J. A., Sherwood, A., Smith, P. J., Watkins, L., Mabe, S., Kraus, W. E., ... & Hinderliter, A. (2016). Enhancing cardiac rehabilitation with stress management training: a randomized clinical efficacy trial. Circulation, CIRCULATIONAHA-115.

2017/01/22

第105回 愛し野塾 妊婦が魚油を摂取すると、子の喘息は予防可能



昨年の学校保健統計調査の速報では、幼稚園児から高校生までの喘息罹患者は、それぞれ幼稚園児で2.3%、小学生で3.69%、中学生で2.9%、高校生で1.9%と、未だ重要な学校保健の重要な課題であることはいうまでもありません。喘息発症年齢に注目すると、23歳までに、60−70%が発症、6歳までに80%以上が発症していることがわかります。小児喘息に罹患したかたのうち約30%は、成人になって再発することもわかってきました。

小児の喘息の原因の大半は、ダニやハウスダストなどの異物をアレルゲンとする、IgEタイプのアレルギーによるものです。こうしたアレルゲンに特異的に反応するIgE抗体を表面にのせているのは「マスト細胞」呼ばれる気管支や鼻の粘膜、皮膚等の外界と接触する組織に存在する細胞です。IgE抗体に異物であるアレルゲンが結合すると、マスト細胞は活性化され、炎症惹起メディエーターである「ロイコトリエン」が産生されるのです。この「ロイコトリエン」こそが、ぜんそく発作を起こす伝達物質なので、このプロセスを抑制させるためのお薬が、現在、汎用されている経口薬剤です。モンテルカストは、システイニルロイコトリエンタイプ1受容体 (Cys LT1受容体)に選択的に結合して、ロイコトリエンのLTD4LTE4による病態生理学的作用(気管支収縮、血管透過性の亢 進、及び粘液分泌促進)を抑制します。この作用機序に基つき、モンテルカストは抗喘息作用として、喘息性炎症の種々の因子を改善します。 吸入のステロイドと共に、モンテルカストは、喘息治療の中核として抗炎症作用を発揮します。適切な処方によって喘息のコントロールは良好となり、結果として、血中IgE濃度は低下、呼気中の一酸化炭素濃度の低下が確認されています(文献1)。

さて、アレルギー反応を起こす「ロイコトリエン」は、細胞膜に含まれる成分であるアラキドン酸から合成される「脂質メディエーター」のひとつです。植物油に多く含まれるn-6不飽和脂肪酸の摂取によってロイコトリエンは増加しますが、魚油に多く含まれるn-3不飽和脂肪酸のEPADHAなどは、細胞膜成分のアラキドン酸と入れ替わり、気道の炎症を抑え、喘息発作を予防しうると考えられています。しかし、残念ながら、EPADHAの摂取量は近年減少傾向にあり、むしろそれを補うかのように、植物油の摂取が増加してきています。植物油の摂取の増加、妊婦の魚油の摂取不足が、うまれた子の喘息の増加に関与している可能性が指摘されているのです。

こういった背景のもと、さまざまな研究調査から、「出産した子どもの喘息発症リスクが、妊娠中の母親のn-3不飽和脂肪酸の摂取不足と関係がある」ということがわかってきました。しかし、これまでの「妊娠期の魚油摂取量の増加による、うまれた子どもの喘息発症リスクの抑制」について検証するために行なわれた介入試験は、主に調査参加者が少ないという問題がつきまとい、明確にされてきませんでした(文献2)。

さて、NEJMに掲載されたのは、小児ぜんそくの予防に、妊婦が魚油を摂取するべきかどうか、について、より厳格な手法を用いて検討が加えられ、「妊婦が魚油を摂取すると小児喘息は減少する」という調査報告でした。これまでの不明瞭な推測から大きく前進した検証結果として注目されています(文献3)。

コペンハーゲン小児ぜんそく前向き研究(COPSAC)と名付けられたこの臨床試験では、2008年から2010年の間に736人の妊娠(22週から26週の妊婦)を登録し、妊娠24週の時点で2.4グラムのn−3不飽和脂肪酸(55EPA37%DHA)摂取群か、オリーブオイル摂取群の2群に、2重盲検法を用いて無作為に割り付け、出産後1週間まで摂取が続けられました。対象となった妊婦は、最後に生まれた子が3歳になるまで、自分がどちらの群に割り付けられたかを知らされませんでした。現在も研究は継続され、参加している研究者さえも、対象者がどちらの群に割り付けられているのかを知らされていません。最終的に、695人の子供(うち双子が5組)が誕生しました。統計処理が行われた時点での、子供の平均年齢は、6.0歳でした。
被検者が規定通りに摂取しているかどうかを検証する「服薬コンプライアンス」は、摂取されたEPADHA剤の残量計算などから、80%以上と推定され、脂肪酸に占めるEPADHAの比率は、服薬前の4.9%から服薬後の6.1%に有意に増加していました。対照群では、服薬前後で、4.9%から3.7%に低下していました。3年の経過観察可能だった子供は、664人(95.5%)で、5年観察可能だった数は、647人(93.1%)でした。「服薬コンプライアンスが極めて高率であること、実際にEPADHA血中濃度が服薬に伴い有意な上昇を認めたこと、試験参加した子の90%を超える高い割合で5年後の経過観察結果が得られたこと」は、いずれも、この試験が厳格に行われ、信頼性、妥当性を満たした研究であったことを立証するものでした。

結果

調査対象となった妊婦が生んだ3歳から5歳のこどものうち136人(19.6%)が喘息の診断を受けました。n-3不飽和脂肪酸摂取群のこどもの喘息発症率は、16.9%、オリーブオイル摂取群のこどもの喘息発症率は、23.7%でした。つまりは、n-3不飽和脂肪酸摂取による31%の喘息発症率の有意な低下を認めました(P0.035)。交絡因子として考えられる、双子の比率、性別、子へのビタミンD3の高用量投与、ランダム化前のEPADHAのそれぞれの血中濃度を考慮し、補正しましたが、得られた結果には変わりはありませんでした。EPADHAの効果は、ランダム化前の母親のEPADHA 濃度が最も低い群で、最大(54%の喘息発症率低下、P=0.011)となり、この減少効果が全体の効果の中で、主たる役割を果たしていることがわかりました。高用量のビタミンD3を投与されていない子のほうが、妊婦のEPADHA摂取による、喘息発症抑制効果が得られやすいことも明らかになりました。閾値解析から、妊婦の血中EPA及びDHA濃度の脂肪酸濃度に占める割合が、5.0%から5.5%以上に達すると、子の喘息発症予防効果が認められることがわかりました。

さらに、EPADHA摂取による、下気道の感染症の予防効果も明らかにされました(22%減少、P=0.033)。一方で、喘息の増悪、湿疹、アレルギー性結膜炎、鼻炎については発症予防効果を認められませんでした。

日本人の妊婦の一日あたりのn-3不飽和脂肪酸の摂取量は、1.8グラムと推算され、これは、本研究で検討された摂取量に比較し有意に少ない量です。欧米では多くの妊婦が324mg以下とさらに低い摂取量で、本研究で検討された魚油2.4グラムの摂取量は、平均摂取量の10倍以上にあたる量です。そのため今後は、2.4グラム摂取の妥当性についての詳細の検討が、特に副作用の観点から長期的な観察調査が必要である事も課題であるとされています。

今回の結果からは、副作用については、明白なものは見られませんでしたが、EPA及びDHAには血液をさらさらにする効果があることからも、今後は分娩時の出血の量及び頻度についても十分に注意して記録することが必要でしょう。

本報告から日本の食生活の現状を鑑み、妊婦に食事についての聞き取りを丁寧に行うことで、n3不飽和脂肪酸の摂取量が明らかに少ないかたの場合に限り秋刀魚やいわしなどの「n3不飽和脂肪酸が豊富に含まれている食物の摂取」を促し、結果として、生まれて来る子どもの喘息発症リスクを減らすことができるのかもしれません。積極的な改善策として、妊婦の定期的な血液検査項目にEPADHAの血中濃度を加え、極端に血中濃度が低い妊婦に、魚油の摂取を含めた食事指導をすることも母子保健の行政上の取り組みとして検討して行って欲しいものです。是非とも、積極的な取り組みを実現させ、小児喘息の発症減少が達成できることを期待するところです。喘息特効薬を求めるばかりではなく、妊婦への適切な栄養指導によって小児の喘息予防ができる可能性に目を向けて欲しいものです。

文献1
Syk, J., Malinovschi, A., Borres, M. P., Undén, A. L., Andreasson, A., Lekander, M., & Alving, K. (2016). Parallel reductions of IgE and exhaled nitric oxide after optimized antiinflammatory asthma treatment. Immunity, Inflammation and Disease, 4(2), 182-190.

文献2
Palmer, D. J., Sullivan, T., Gold, M. S., Prescott, S. L., Heddle, R., Gibson, R. A., & Makrides, M. (2013). Randomized controlled trial of fish oil supplementation in pregnancy on childhood allergies. Allergy, 68(11), 1370-1376.

 文献3

Bisgaard, H., Stokholm, J., Chawes, B. L., Vissing, N. H., Bjarnadóttir, E., Schoos, A. M. M., ... & Følsgaard, N. V. (2016). Fish Oil–Derived Fatty Acids in Pregnancy and Wheeze and Asthma in Offspring. New England Journal of Medicine, 375(26), 2530-2539.